スーパーGT

2024年開幕戦、新体制で挑むNissan Z NISMO GT500の2台が入賞

2024年4月16日

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SUPER GT 2024第1戦レースレポート

【GT500】
2024年SUPER GTシリーズが岡山国際サーキットで開幕しました。日産/NISMO陣営は、GT500クラスのドライバーラインナップを大きく変更し、木賀 新一が新たに総監督に就任。新体制でタイトル奪還を目指し、24年シーズン全15台で争われるGT500クラスに挑みます。また、日産/NISMO陣営は、ベース車両をNissan Z NISMOに変更し、Nissan Z NISMO GT500を投入。今シーズンからブリヂストンタイヤを装着する#3 Niterra MOTUL Z(高星 明誠 / 三宅 淳詞)と#23 MOTUL AUTECH Z(千代 勝正 / ロニー・クインタレッリ)、そして#12 MARELLI IMPUL Z(平峰 一貴 / ベルトラン・バゲット)、#24 リアライズコーポレーションADVAN Z (松田 次生 / 名取 鉄平)の4台が参戦し、新たな顔ぶれとコンビネーションでシリーズ全8戦に挑みます。開幕戦は従来どおり全車サクセスウェイト0kgで、昨シーズン1-2フィニッシュを飾った日産/NISMO陣営は岡山での連勝を狙いました。

 

Q1、Q2のタイム合算方式の予選で
Nissan Z NISMO GT500の最上位は#23 Z が6番手

予選
予選日の4月13日は朝から好天に恵まれ、予選開始の段階では気温27度、路面温度37度のコンディションとなり、午後2時33分からGT500クラスの予選Q1がスタートしました。今シーズンから予選方式が変更され、従来のノックダウン方式から、Q1、Q2それぞれのドライバーによるベストタイムの合算で順位を決める方式となりました。また、使用タイヤ数が1セット減り、Q1、Q2、そしてレーススタートは同一タイヤに限定され、予選とレース戦略の難しさが増すことになります。

ニュータイヤを使用できるQ1で#23 Zの千代が1分17秒489のトップタイムをマーク。Nissan Z NISMO GT500のポテンシャルを伺わせます。#12 Zの平峰は1分18秒033で7番手、#3 Zの高星は1分18秒133で9番手、#24 Zの名取は1分18秒484で12番手となりました。

Q1で使用したタイヤで走行するQ2でのラップタイムと周回数に注目が集まります。午後3時29分からQ2が開始され、#3 Zの三宅が3周目に1分18秒301をマークし、Q2を5番手で終えます。#12 Zのバゲットは4周目に1分18秒515で9番手、#23 Zのクインタレッリは4周目に1分18秒757で10番手、#24 Zの松田は4周目に1分18秒861で12番手となり、各車タイヤの状況やセッティングなど手探りのなか、Q2 が終了しました。Q1とQ2のタイム合算の結果、#23 Zが6位、#3 Zが7位、#12 Zが9位、#24 Zが12位で予選順位が確定しました。

 

#23 MOTUL AUTECH Zが5位、#3 Niterra MOTUL Zが6位
今後に期待のできる内容で開幕戦入賞を果たす

決勝
好天が続く岡山国際サーキットでは、昼前から気温が上昇し気温26度、路面温度39度という夏のようなコンディションのもと、決勝レースを迎えました。午後1時30分に2周のフォーメーションラップが開始され、82周のレースがスタート。1周目に#23 Zのクインタレッリは第1コーナーで他車と接触し9番手にポジションを落とします。後続ではスピンしたマシンで混乱した状況のなかアクシデントが重なり、#12 Zのバゲットも他車と接触しマシンにダメージを負いました。1周目から、ストップしたマシンを回収するためにセーフティカー(SC)が導入されました。1周目を終え、高星がドライブする#3 Zが5番手、ダメージを負った#12 Zが6番手、接触で順位を下げた#23 Zが9番手、アクシデントで2台が脱落したため名取の#24 Zが10番手となり、SC先導の走行が続きました。SC先導中、4周を終えて#12 Zがピットインしダメージを修復し13番手でコースに戻りました。これにより、#23 Zは8番手、#24 Zは9番手となっています。7周を終えてSC先導が終了し、8周目からレースが再開されました。

#3 Zは2番手争いの集団のなかで接近戦を展開します。#23 Zは周回遅れのGT300マシンをうまくかわしながら8番手をキープ。レースは中盤戦に入りました。30周を終えて#3 Zがピットインし、ドライバーは三宅に交代しました。#23 Zも31周を終えてピットインし、ドライバーは千代に交代。#3 Zは7番手、#23 Zは10番手でコースに戻っています。追い上げを開始した#23 Zは33周目、34周目にポジションを上げ8番手に上昇。上位車のピットインによって、36周目には#3 Zが6番手、#23 Zが7番手となっています。

43周目、#23 Zが#3 Zをパスして順位が入れ替わり、#23 Zは6番手、#3 Zは7番手となり、レース終盤のポジションアップを狙います。52周を終え、ピットインを引き延ばしていたトップがピットに入り、GT500クラス全車がピットインを終えた時点で、#23 Zは5番手、#3 Zは6番手となり、接近戦の中にいました。しかし、混雑するコース上でのオーバーテイクは難しく、65周目にコース上にマシンがストップしフルコースイエロー(FCY)が出るなど、ポジションアップは果たせない状況のまま82周のレースは終了しました。#23 Zは5位、#3 Zは6位で2台が入賞を果たすとともに、ブリヂストンタイヤのデータ収集の面で大きな成果のあったレースでした。

1周目にアクシデントによるピットインで大きく順位を落とした#12 Zは、レース後半にペースを上げて挽回し、入賞目前の11位でフィニッシュしました。ペースに苦しんだ#24 Zは12位で開幕戦を終え、今後の巻き返しを目指します。

千代 勝正 選手
「ロニー選手のスタートはかなり決まった感じでしたが、直後にアクシデントに巻き込まれてポジションを落としたのは不運でした。ブリヂストンタイヤと会話しながら最後まで落ち着いて走れて、しっかり1レースを戦えたという点はポジティブなことだと思います。ただ、終盤のFCYでタイヤが冷えて、ペースが上がらなくなり上のポジションを獲れませんでした。その辺りの対応が課題だと感じます。でも、タイヤのデータも多く採れましたし、収穫の多いレースだったことは、今後に向けてとても良い状況だと思っています」

ロニー・クインタレッリ 選手
「スタートしてすぐのアクシデントは避けようがありませんでしたが、自分も相手もスピンしなくて良かったと思っています。それからはタイヤをいたわって、我慢の走行になりました。後半は千代選手が頑張ってくれて、表彰台を獲得できるかもしれない、というポジションまでいきましたが、今回は5位で終われたことで満足するしかありません。サクセスウェイトの点から見ても、次回に期待できる状況ですし、次の富士は、僕にとって多くのファンの前で走れる特別なレースなので、良い結果を目指して頑張ります」

 

【GT300】
GT300クラスには4台のNissan GT-R NISMO GT3が参戦し、4台すべてが完走しました。#56 リアライズ日産メカニックチャレンジGT-R(佐々木 大樹 / ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)は、スタートを担当した佐々木が早めのピットイン、後半のオリベイラが着実なタイヤマネージメントでポイント圏内まで浮上する強さを見せましたが、レース後のペナルティで15位となりました。