スーパーGT
2024年5月8日
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#3 Zが独走優勝、安定した速さで#23 Zが2位を獲得
【GT500】
2024年SUPER GTシリーズ第2戦が富士スピードウェイで開催されました。連休恒例のレースは、SUPER GT初の3時間レースとして行われ、2日間で8万8400人ものファンがサーキットに来場しました。新体制で24年シーズンに挑む日産/NISMO陣営は、昨シーズンの第4戦に続く富士での連勝を狙い、予選・決勝に挑みました。
今季2戦目になるNissan Z NISMO GT500陣営は、#3 Niterra MOTUL Z(高星 明誠 / 三宅 淳詞)、#12 MARELLI IMPUL Z(平峰 一貴 / ベルトラン・バゲット)、#23 MOTUL AUTECH Z(千代 勝正 / ロニー・クインタレッリ)と#24 リアライズコーポレーションADVAN Z (松田 次生 / 名取 鉄平)の4台。#23 Zと#3 Zは今年から使用するブリヂストンタイヤの習熟も進み、好結果が期待されます。第2戦は開幕戦の結果により、#23 Zに12kg、#3 Zに10kgのサクセスウェイトが積まれ、#12 Zと#24 Zはサクセスウェイト0kgでのレースとなりました。
Q2トップタイムを#23 Zがマーク。#3 ZもQ2で2番手となり
合算での順位を押し上げ、#3 Zが2番手、#23 Zが3番手で決勝へ
予選
5月3日は朝から好天に恵まれ、気温23度、路面温度34度のコンディションのもと、午後2時58分からGT500クラス予選Q1がスタートしました。Q1、Q2のベストタイムの合算で順位を決める予選。Q1で#3 Zの高星が1分27秒134で5番手、#12 Zのバゲットが1分27秒243で7番手、#23 Zのクインタレッリが1分27秒282で8番手となり、同じタイヤでアタックするQ2を考慮したアタックを行いました。#24 Zの名取はアタックラップに入る直前にピットイン。アタックできないまま1分42秒248が記録されています。
午後3時54分からスタートしたQ2では、Q1で使用したタイヤながら#23 Zの千代が1分27秒077とQ1を上まわるスーパーラップでトップタイムをマーク。#3 Zの三宅は3周目に1分27秒205の好タイムをマークし、Q2で2番手となっています。#12 Zの平峰は4周目に1分27秒379で4番手となり、予選の戦略が功を奏したNissan Z NISMO GT500勢はQ2で上位を占め、合算タイムの予選順位でも#3 Zが2番手、#23 Zが3番手、#12 Zが5番手と好位置からスタートとなりました。Q1でアタック不発に終わった#24 Zは松田がQ2で5周を周回し、決勝は最後尾からのポジションアップを狙います。
スタート直後に首位に立った#3 Zが勝利
#23 Zが2位となり、NISMO陣営が1-2フィニッシュ
決勝
富士スピードウェイには夏を思わせる日差しが降り注ぎ、気温23度、路面温度41度のコンディションのもと、決勝レースを迎えました。午後1時30分に2周のフォーメーションラップが開始され、3時間レースがスタート。2番手スタートの#3 Z高星は、1周目の第1コーナーでトップのアウト側に並び、第2コーナーでオーバーテイクに成功、開始早々にレースをリードします。3番手スタートの#23 Z千代も上位に迫りますが、無理せず3番手をキープし、5番手スタートの#12 Zバゲットもポジションをキープして周回を重ねます。
2番手の背後に迫りながらレースを進める#23 Zは、23周目にオーバーテイクを決めて2番手に浮上。Nissan Z NISMO GT500が1-2体制となります。30周目から1回目のピットインを行うチームが出始めました。Z勢ではまず#12 Zが31周を終えて1回目のピットイン、ドライバーの交代はせずにタイヤ交換と給油を行いコースに戻りました。2番手走行の#23 Zは38周を終えてピットインし、ドライバーを千代からクインタレッリに交代。トップの#3 Zは40周を終えてピットインし、ドライバーは高星のままレース中盤に入ります。GT500クラスの全車が1回目のピット作業を終えた41周目の段階で、#3 Zは首位を守り、#23 Zは3番手、#12 Zは5番手となっています。
後続との差を徐々に広げていく#3 Zは、75周終了時に2番手と25秒以上のマージンを持って2回目のピットインを行いました。ドライバーは三宅に交代し、残り約1時間後のトップチェッカーを目指します。5番手走行の#12 Zは73周終了時に、上位のピットインにより2番手となっていた#23 Zは77周終了時に2回目のピットインを行い、ともにドライバーを交代。#12 Zは平峰が、#23 Zは再び千代がステアリングを握り、レースフィニッシュまでのドライブとなります。GT500クラス全車が2回目のピット作業を終えた80周目の段階で、#3 Zは2番手以下を36秒以上引き離してトップを独走。#23 Zは後続に迫られながらも2番手を走行。#12 Zは接戦のなか6番手でレース終盤を迎えます。
#3 Zは慎重にアクシデントを避けながらもペース良く走行を続け、3時間経過後の117周をトップでフィニッシュ。Nissan Z NISMO GT500の今季初優勝と、#3 Zとして富士での連勝を成し遂げました。#23 Zはレース終盤、安定した走行で後続との差を広げ、危なげなく2番手でゴールし、Z勢による1-2フィニッシュを達成しました。終盤ペースが上がらず、一時7番手にポジションを落とした#12 Zですが、最終盤には6番手に戻りフィニッシュしています。15番手からスタートした#24 Zは、混乱のないレース展開のなかで思うようにポジションを上げることができませんでしたが、しっかりと走り切り、13位完走でレースを終えています。
日産/NISMO陣営は、シーズン2戦目に1-2フィニッシュという好成績を得ることができました。次戦はこれまで好結果を得ている鈴鹿サーキットでの戦いとなり、Nissan Z NISMO GT500の連勝を期して第3戦に挑みます。
高星 明誠 選手(#3 Niterra MOTUL Z)
「優勝できて素直に嬉しいです。予選で2位を獲れてもロングランがどうなるかという不安な点はありましたが、実際はペースも比較的安定していましたし、次戦以降に繋がるいいデータも取れ、すべてにおいて収穫があったレースでした。今回優勝できたことで、上位の争いに食い込めていることを実感しました。でも、まだまだ自分たちの求めているクルマのバランスには到達していません。昨年はかなりいいパフォーマンスがあったと思うのですが、それでもチャンピオンには届きませんでした。まずはそのレベルまで引き上げたいですし、さらに上を目指していきたいです」
三宅 淳詞 選手(#3 Niterra MOTUL Z)
「GT500にステップアップして、2戦目で優勝できたことにはびっくりしていますし、本当に嬉しいです。予選でも思った以上のパフォーマンスを出せました。レースでは高星選手がスタートダッシュを決めて、マージンを作ってくれたので、接触や凡ミスのないよう落ち着いて走ることができました。本当に高星選手とチームのおかげだと思っています。自分自身のドライビングはまだまだ改善すべき点もあるので、次戦に向けてしっかり改善していきたいと思います。サクセスウェイトもあり簡単にはいかないと思いますが、チャンピオン争いに加われるよう、準備していきたいです」
【GT300】
GT300クラスには4台のNissan GT-R NISMO GT3と、1台のGTA GT300規則のフェアレディZが参戦しました。#56 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R(佐々木 大樹 / ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)が予選3番手から2位に入賞し、シーズン初表彰台を獲得しています。
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