スーパーGT
2024年6月4日
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2024年SUPER GTシリーズ第3戦が鈴鹿サーキットで開催され、4台のNissan Z NISMO GT500が連勝に挑みました。激しいポジション争いが展開された3時間レースで、8番手からスタートした#12 MARELLI IMPUL Z(平峰 一貴/ベルトラン・バゲット)が終盤ハイペースで追い上げ、最終周に3位に迫りながらも4位でフィニッシュ。Nissan Z NISMO GT500勢は4台全車が入賞を果たし、貴重なポイントを獲得しました。
第2戦富士で1-2フィニッシュを決めた日産/NISMO陣営は、これまで好結果を出し相性の良い鈴鹿サーキットでの第3戦に、2連勝を目指して臨みました。前戦までの結果により、#3 Niterra MOTUL Z(高星 明誠 / 三宅 淳詞)には54kg、#12 MARELLI IMPUL Zは10kg、#23 MOTUL AUTECH Z(千代 勝正 / ロニー・クインタレッリ)は44kgのサクセスウェイトが搭載されました。なお、規定によりサクセスウェイトが50kgを超えた場合、燃料流量リストリクター径を一段階絞り、ウェイトを17kg減らすことができるため、#3 Zの搭載ウェイトは37kgとなっています。#24 リアライズコーポレーションADVAN Z(松田 次生 / 名取 鉄平)はウェイト0kgでレースに臨みます。
タイヤ戦略が功を奏し#23 ZがQ2で2番手タイムをマーク
タイム合算の予選で#3 Zが6番手、#23 Zが7番手で決勝へ
予選
6月1日、天候は晴れで気温26度、路面温度45度のコンディションのもと、午後3時33分からGT500クラス予選Q1がスタートしました。今シーズンからQ1とQ2のベストタイムを合算して順位を決める予選方式となり、Q1とQ2、そして決勝スタートは同一タイヤを使用することが義務づけられており、予選での戦略的なタイヤの使い方が大きなポイントとなります。Q1では、僅差のなか#24 Zの名取が8番手、#3 Zの高星が10番手、#12 Zのバゲットが11番手、#23 Zのクインタレッリが12番手でQ1を終えました。
午後4時29分からスタートしたQ2では、#23 Zの千代が44㎏のサクセスウェイトにもかかわらず1分46秒309の2番手タイムをマーク。#3 Zの三宅は3周目に1分46秒468の好タイムをマークしQ2で5番手となっています。#12 Zの平峰は1分46秒532で6番手となり、予選の戦略が功を奏したNissan Z NISMO GT500勢はQ2でQ1を上まわるタイムを記録。#24 Zの松田は2周目のアタックを1分47秒079で終え、9番手となりました。合算タイムによる予選順位は#3 Zが6番手、#23 Zが7番手、#12 Zが8番手、#24 Zが9番手となり、決勝レースに挑みます。
レース最終盤にハイペースで追い上げた#12 MARELLI IMPUL Zが4位
#3 Zが8位、#24 Zが9位、#23 Zが10位で、4台揃って入賞を果たす
決勝
6月2日の決勝日は、朝から時折雨がパラつく曇り空でしたが、スタート直前には日差しが差し込むという不安定な天候のもとで決勝レースを迎えました。レース中の降雨が予想されるなか、午後1時30分、気温23度、路面温度41度のコンディションで、全車ドライタイヤを装着して2周のフォーメーションラップが行われた後にレースが開始されました。6番手スタートの#3 Z高星、7番手スタートの#23 Zクインタレッリ、8番手スタートの#12 Zバゲット、9番手スタートの#24 Z松田は、スタートポジションをキープして1周目を終えました。#23 Zが6周目と7周目に後続のZ勢に先行を許し、#12 Zが7番手、#24 Zが8番手に浮上。#23 Zは9番手を走行し、4台のZがほぼ等間隔で走行を続けました。22周目、#3 Zが先行車をオーバーテイクすると、#12 Zも前車の隙をついてオーバーテイクし、ともにポジションを上げました。
1回目のピットインを行うマシンが出始め、25周を終えた時点で#3 Zは4番手、#12 Zは5番手、#24 Zは6番手、#23 Zは7番手となり、Z勢も1回目のピットインのタイミングを迎えました。29周を終え#24 Zがピットインしドライバーは名取に交代。32周終了時に#23 Zがピットインし、ドライバーは千代に交代しました。33周を終えて#3 Zと#12 Zが同じタイミングでピットに入り、#3 Zはドライバー交代をせず、#12 Zは平峰に交代。GT500クラスの全車が1回目のピットインを終えた36周終了時点で、#12 Zが6番手、#24 Zが7番手、#3 Zが9番手、#23 Zが10番手につけました。ピットアウトのわずかなタイミングでポジションを落とした#12 Zは、3台による接近した4位争いを展開し、37周目にその争いを制して2台をパスして4番手に浮上しました。40周目、シケインの進入で他車と接触した#23 Zは、のちにドライブスルーペナルティを科されポジションを失うこととなりました。
レースは終盤戦に入り、コースの部分的に小雨がぱらつくものの、本格的な雨は降らないまま2回目のピットインを行うタイミングになりました。徐々にポジションを上げ、7番手に浮上していた#3 Zが57周を終えてピットイン。ドライバーは三宅に代わりフィニッシュを目指します。60周を終えた時点で8番手走行の#24 Zと9番手走行の#23 Zがピットインし、#24 Zは松田に交代し、#23 Zは千代が継続してドライブしました。ピットインのタイミングを引き延ばした#12 Zは63周終了後に平峰からバゲットに交代、追い上げを開始しました。GT500クラスの全車が2回目のピットインを終えた64周目の順位は、#12 Zが5番手、#3 Zが7番手、#24 Zが9番手、#23 Zが11番手となりました。
71周目、#23 Zがペースの落ちた前車をパスして10番手に上がると、Z勢全車が入賞圏内に入りました。5番手から、ファステストラップを刻むハイペースで追い上げる#12 Zは先行車との差を徐々に詰めて背後に迫り、86周目にオーバーテイクを決めて4番手に浮上、さらに表彰台を目指してプッシュを続けました。最終周となる92周目、#12 Zは3番手に1秒以内に迫りましたが、ポジションを奪うことはかなわず4番手でフィニッシュ。サクセスウェイトによる影響もある中、粘りの走りを見せた#3 Zは、8番手でフィニッシュしました。#24 Z、#23 Zは厳しいレースながらも入賞圏内のポジションを守り切り、Z勢は全車入賞を果たし、貴重なポイントを獲得しました。
日産/NISMO陣営にとって課題が見えたレースとなりましたが、4台揃って入賞したことはポジティブな結果ととらえ、タイトル奪取を目標に次戦への準備を進め、Nissan Z NISMO GT500の2勝目を目指して第4戦富士に挑みます。
平峰 一貴 選手(#12 MARELLI IMPUL Z)
「セカンドスティントを担当しましたが、タイヤのウォームアップが良く、ライバル2台を仕留めることができたので、その点は良かったかなと思います。最後はあまりペースを上げられなかったのですが、36号車といいバトルをすることができました。表彰台までにはあと一歩届かなかったのですが、バゲット選手がすごい追い上げを見せてくれて、しっかりポイントも持ち帰ることができました。今回の結果はしっかり次に繋がると思いますし、富士でもいいレースができるように頑張ります」
ベルトラン・バゲット 選手(#12 MARELLI IMPUL Z)
「残念ながら表彰台には届きませんでしたが、レースでのペースは良かったと思います。スタート順位が後方だったので、序盤は集団の中でかなりタイムをロスしてしまいました。第3スティントでは状況が少し良くなりましたが、36号車をオーバーテイクするのに少し手こずってしまいました。それでも、前戦の富士と比べればクルマは確実に良くなっているので、この流れを次の富士にもつなげなくてはなりません。シーズンはまだ先が長いので、これからもプッシュを続けていきます」
【GT300】
GT300クラスには4台のNissan GT-R NISMO GT3と、1台のGTA GT300規則のフェアレディZが参戦しました。予選21番手からスタートした#62 HELM MOTORSPORTS GT-R(平手 晃平 / 平木 湧也 / 平木 玲次)が入賞目前までポジションを上げ、11位でフィニッシュしました。
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