スーパーGT
2024年9月24日
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2024年SUPER GTシリーズ第6戦がスポーツランドSUGOで開催され、4台のNissan Z NISMO GT500が300kmレースに挑みました。予選日から降雨が続き、予選はキャンセル、決勝もウェットからドライへと難しいコンディションのなか、5番手からスタートした#12 MARELLI IMPUL Z(平峰 一貴 / ベルトラン・バゲット)が安定した速さを発揮し、3位表彰台を獲得。#3 Niterra MOTUL Z(高星 明誠 / 三宅 淳詞)が6位入賞を果たしました。
【GT500】
雨の影響で予選はキャンセルされ
公式練習のベストタイム順によりグリッドが確定
予選
前戦、第5戦鈴鹿は台風の影響で12月に延期され、今回がシーズン後半戦の緒戦となりました。シリーズ5戦目となった今大会、東北地方を襲った激しい雨の影響で、スポーツランドSUGOは予選日から荒天に見舞われました。
前戦までの結果により#3 Niterra MOTUL Z(高星 明誠 / 三宅 淳詞)には60kg、#23 MOTUL AUTECH Z(千代 勝正 / ロニー・クインタレッリ)は46kg、#12 MARELLI IMPUL Zは38kg、#24 リアライズコーポレーションADVAN Z (松田 次生 / 名取 鉄平)は4kgのサクセスウェイトが搭載されました。なお、規定によりサクセスウェイトが50kgを超えた場合、リストリクターを一段階絞り、ウェイトは17kg減らすことになります。
9月21日、朝から冷たい雨が降り続くなか、午前に公式練習が行われました。その後、雨は激しさを増し、午後に予定されていた予選はキャンセルになります。決勝のグリッドは公式練習のベストタイム順となり、#12 Zが5番手、#24 Zが7番手、#23 Zが9番手、#3 Zが15番手で決勝レースをスタートすることになりました。
5番手スタートの#12 Zが3位表彰台を獲得
#3 Zが15番手からポジションを上げ6位入賞を果たす
決勝
9月22日の決勝日も朝から降雨が続き、一時激しい雨が降り注ぎましたが、午後になり徐々に雨足は弱まり、コンディションの回復を待ってレースは予定より52分遅れの午後2時22分開始となりました。スタート時に雨は上がりましたが、厚い雲が空を覆うウェットコンディションのもと、セーフティカー(SC)先導でレースがスタートしました。3周にわたるSC先導走行の後、シグナルがグリーンとなりレースが始まりました。好スタートを見せた#12 Zのバゲットはポジションを上げて3番手に上昇。接近戦のなかでさらに上位を狙います。7番手スタートの#24 Z松田は序盤ペースが上がらず、9周目には15番手までダウン。9番手スタートの#23 Z千代は接戦のなかでポジションをひとつ落とし10番手。15番手から追い上げを見せた#3 Z高星は7周目に7番手、10周目には6番手にジャンプアップを果たしました。ウェットとドライが混在し、時折小雨が降る難しいコンディションが続きました。26周目、GT300クラス同士のクラッシュにより、SCが導入されました。この時点で、接戦のなか激しいポジション争いとなった#12 Zは6番手、#3 Zは7番手、#23 Zは10番手、#24 Zは11番手を走行していました。31周を終えSC先導が終了すると、#23 Zが早めにピットインを行いクインタレッリに交代します。このピットインにより#23 Zは14番手となり、他車のピットインを待つ作戦を採りました。
42周を終え、5番手走行の#12 Zと11番手までポジションを落とした#3 Zがピットインし、ドライバー交代とタイヤをドライに替えます。GT500クラスの多くが同じタイミングでピットインし、順位が錯綜するなか、ピットインを引き延ばす作戦を採った#24 Zがトップに立ち、早めにピットインを行った#23 Zは4番手となりました。ピットイン作業を終えた#12 Zは平峰が8番手で、追突されたダメージの修復もあわせて行った#3 Zは三宅が13番手でレースに戻り、レースは後半戦に入りました。43周目、GT300クラスのマシンがアクシデントでコース上にストップし、再びSCが導入されました。50周目にレースが再開され、51周目に首位を走行していた#24 Zがピットインを行い、ドライバーを名取に交代します。53周目にGT500クラス全車が規定のピット作業を終え、その時点で#23 Zは4番手、#12 Zは5番手、#3 Zは11番手、#24 Zは14番手となりました。54周目、混戦のなかで3台をパスした#12 Zが2番手に浮上。その後も混戦は続き、58周目に#12 Zは3番手にダウンしますが、後続との差を広げて上位を追撃します。58周を終え、ウェットタイヤで苦しい戦いを続けていた#23 Zがピットインしてドライタイヤに交換し、順位を大きく落としてしまいました。
レースは終盤を迎え、3番手走行の#12 Zは2番手に迫る場面も多くありましたが、狭いコースと周回遅れのGT300クラスの車両に阻まれ、ポジションアップは難しい状況となりました。ペースを上げて追い上げを図る#3 Zは、上位車のペナルティなどもあり徐々にポジションを上げ、79周目に6番手まで浮上。厳しいコンディションで行われたレースは、無事84周のチェッカーフラッグを迎え、安定した速さで後続を引き離した#12 Zが3位でフィニッシュし、表彰台を獲得しました。終盤に追い上げを見せた#3 Zは6位入賞。難しいコンディションのなか、タイヤ戦略でチャレンジした#23 Zと#24 Zは、12位、13位でフィニッシュとなりました。
日産/NISMO陣営にとって、ウェット路面とタイヤのマッチングなど新たな経験を積んだレースとなりました。これらのデータを基にシーズン残り3戦に好結果を残すべく準備を進め、Nissan Z NISMO GT500の今季2勝目、そしてタイトル奪取を目指して第7戦オートポリスでの戦いに挑みます。
平峰 一貴 選手(#12 MARELLI IMPUL Z)
「長いレースでした。正直、(2022年に)タイトルを獲ってからけっこう苦しんでいました。チームも一生懸命僕らのわがままを聞いてクルマを仕上げてきてくれていますので、久々の表彰台で流れが変わるといいなと思っています。バゲット選手が素晴らしい仕事で粘ってくれたおかげで、僕が最後にスリックタイヤを装着して走れました。星野一樹監督にも一番をプレゼントしたいですし、今回少しはお返しできたかなと思います。次戦のオートポリスは表彰台の真ん中に乗れるように頑張りたいと思います」
ベルトラン・バゲット 選手(#12 MARELLI IMPUL Z)
「スタートタイヤの判断は難しかったですね。コースは乾き始めていたので、硬いタイヤを選んだのは、良い選択だったと思います。ポジションは落としましたが、後半スティントのカズキがスリックタイヤを装着するまでフロントタイヤのマネージメントに最善を尽くしました。セーフティカー後のペースはとても良くなりましたし、カズキも素晴らしい仕事で順位を上げてくれました。表彰台は23年第3戦の鈴鹿以来なので嬉しいです。まだやるべきことはありますが、オートポリスは僕らに合っているコースだと思いますし、今後も前進したいと思っています」
【GT300】
GT300クラスには4台のNissan GT-R NISMO GT3と、1台のGTA GT300規則の日産フェアレディZが参戦。12番手からスタートした#56 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R(佐々木 大樹 / ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)が入賞目前に迫る11位で完走しました。
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