フォーミュラE

日産フォーミュラEチーム、ピットブーストが初導入されるジェッダE-Prixに挑む

2025年2月11日

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日産自動車株式会社(本社:神奈川県横浜市西区、社長:内田 誠)は、同社のフォーミュラEチームが、今週末にサウジアラビアで開催されるABB FIAフォーミュラE世界選手権シーズン11(2024/25)のジェッダE-Prixに参戦することを発表しました。チームは前回レースからの勢いをそのままに今シーズン初のダブルヘッダーであるジェッダE-Prixに挑みます。金曜日のレースではフォーミュラE初の試みとなるピットブーストの導入も予定されています。

オリバー ローランドは前回メキシコシティ戦において、劇的な3度のオーバーテイクを決め、シーズン11において初勝利を収めました。この勝利により最多ポイントを獲得し、ドライバーズチャンピオンシップで2位につけています。一方、ノーマン ナトーは、良好なレースペースを発揮しながらも結果に結びつけることができませんでしたが、今回のレースで巻き返しを狙います。

ダブルヘッダーの最初となる金曜日のレースではピットブーストが初めて導入されます。車両はピットレーンで600kW充電を30秒間実施し、エネルギーを約10%(3.85kWh)追加します。これにより各チームの戦略の幅が広がることが期待されています。

サウジアラビアでのフォーミュラE開催はシーズン5から続いていますが、ジェッダでの開催は初となります。紅海沿岸に位置するジェッダコーニッシュサーキットは、全長が3.001キロメートル、19のターンを有し、ターン1、8でオーバーテイクが期待されます。また長くて速い左カーブのターン12の後に、スリリングな高速セクションが待っています。

さらに、このイベントでは、若手ドライバー向けのセッションFP0(フリープラクティス0)が開催され、ガブリエレ ミニが木曜日の現地時間18:00(UTC + 3)に開催されるFP0でチーム代表としてドライブする予定です。ミニは今シーズンのフォーミュラ2に出場する予定で、2024年5月にベルリンのルーキーテストで日産のフォーミュラEマシンを体験しました。ミニは、ジェッダでのスキルを向上させると同時に、チームのレース準備をサポートします。

ローランドとナトーは、その後現地時間21:00にフリー・プラクティスに出走します。両レースともに予選は15:20開始、決勝戦は20:00スタートです。

日産フォーミュラEのゼネラルマネージャー兼日産フォーミュラEチームのマネージングダイレクターであるトマソ ヴォルペは以下の通りに意気込みを語りました。「メキシコでの勝利を受けて、私たちはさらに高いモチベーションで挑もうとしていますが、新しいサーキットとピットブーストの導入が重なるため、大きな挑戦も予想されます。実際のレースでピットブーストがどのように機能するのかによって、ゲームチェンジャーになる可能性があると考えています。戦略に関しては、各レースを別ものとして分けて準備することに重点を置いてきました。金曜と木曜のレースが全く異なるため、木曜日に多くの有意義なデータを収集することが非常に重要になります。イノベーションパートナーであるエレクトロミンのホームレースでもあり、エキサイティングでイベントフルなダブルヘッダーになると期待しています。電気モビリティソリューションに専念する企業として、ピットブーストの導入とともに進化したフォーミュラEに挑戦する私たちをサポートしてくれることに感謝しています」

オリバー ローランド

「メキシコでの勝利後、チーム内はとても良い雰囲気であり、ジェッダの新しいサーキットでしっかりとポイントを獲得することを目指しています。ピットブーストは新たな挑戦ですが、楽しみにしています。今回の2つのレースは全く異なる展開になるでしょう。金曜日はフォーミュラE史上最速のイベントの一つになると予想していますが、土曜日はペロトンスタイルのレースになるかもしれません。どのようなシナリオにも適応できれば、良いレースができると自信を持っています」

ノーマン ナトー

「シーズン最初の2レースは、私たちのマシンの仕上がりが良く、良いパフォーマンスを発揮する力があることを証明しています。ピットブーストは興味深いもので、実際のレースで使用するのは初めてです。 良い予選結果を確保できれば、私たちは前線争いに加わることができるはずです。コースのレイアウトはシミュレーターで把握しているので、実際に走るのが楽しみです」

ガブリエレ ミニ

「シミュレーターでの作業から見ると、とてもエキサイティングなサーキットのようです。他のカテゴリーでも見られるように、ジェッダは高速コーナーが多く、ドライバーにとってはワクワクする場所です。シミュレーターでの運転から感じるのは、GEN3 Evo車両の全輪駆動(AWD)による違いが非常に大きいということです。このシリーズが大きな進歩を遂げたように感じるので、サーキット上でそれを試すのが楽しみです。小さなミスも許されない厳しいレースになると思いますので、集中力を保ち、有意義なデータをできるだけ多く抽出することを目指します」

セルジオ セッテ・カマラ

「新しい都市とサーキットに向かうのは常にエキサイティングです。未知の場所では、適応力が求められます。シミュレーターでピットブースト周りの戦略を練習しましたが、実際のシーンで正しく機能するのか分からない部分があります。流れるようなコースの前半部分はドライバーにとっては挑戦ですが、見ている方も楽しめると思います。オーバーテイクやホイール・トゥ・ホイールの接近戦の多いレースになることを期待しています」